(なかい隆晃)2点目はイカナゴについてである。私の地元神戸市長田区では、イカナゴのくぎ煮は春の風物詩である。南部の駒林神社周辺は発祥の地として、また駒ヶ林魚市場は150年の歴史を有している。しかし昨今、イカナゴの新仔漁の漁獲量の減少傾向が続いている。本年2月の水産漁港課の発表によれば、漁獲量は令和5年1,209t、令和6年が25tであり、何と4桁から2桁へと大幅な減少となった。近年の不漁年の中でも分布量は低水準であり、大阪湾と播磨灘では最低値ということである。神戸市漁協ホームページを見たが、組合長のコメントで漁業者の資源保護の取組が結果として現れていない大変残念な事態という言葉があり、私も地元住民として真摯に受け止め、今後の改善の一助となればと強く感じているところである。本年の操業状況によると、大阪湾海域では漁業者による試験操業を実施せず、前期に引き続き今期も自主休漁を決定。また、播磨灘海域では大阪湾海域の状況を踏まえ、漁業者による試験操業を実施、水産技術センターの解析結果と併せて判断した結果、自主休漁となった。海水温上昇による影響も懸念されるが、県としては海域の栄養塩環境の改善が重要だと考えておられるとのことである。そこで、今後のイカナゴの新仔漁における資源対策について当局に伺う。
(水産漁港課長)2点目のイカナゴに関しては、ご指摘のとおり大阪湾は昨年、今年と2年連続の禁漁と非常に危機的な状態である。播磨灘に関しても昨年は1日だけ、今年は3日だけで、昨年は約25トン、今年は速報値で約50t程度しか獲れていない状況である。平成29年以降、水産技術センターもいろいろと調査を行い、貧栄養に伴って餌が減り、イカナゴの親に餌が当たらずに産卵量が減っているということが明らかになっている。特に、ここ2年ほどでこれだけ劇的にイカナゴが減っていることは我々も非常に危機感を感じている。
国連のグテーレス事務総長が地球沸騰化の時代が到来したとおっしゃっていたが、やはりここ2年で地球温暖化が非常に進んでおり、海水温も上昇傾向にある。私の見解だが、今までの痩せているイカナゴの親が、夏場の高温で相乗効果としてやられてしまい、生き残りが減っているのではないかと感じている。ただ、我々や漁業者も含めて、地球温暖化をコントロールするのは難しいので、そういう意味で今年、漁業者はイカナゴを海上の囲い網で飼い、直接餌を与えるという取組をされている。昨年は鹿ノ瀬で親に直接餌を与えようとしたが、親にきちんと餌が当たっているか分からないので、囲い網の中で一度親を飼うことで、どれぐらい太らせることができるかやってみようということで取り組まれている。県としても、できるだけそのような漁業者の取組もお手伝いする中で、ここ近年のイカナゴの急激な減少の要因がどういうところにあるのかを根本的に解明していかなければならないと思っている。そのあたりは来年度に向けて大きな課題として認識し、取り組んでいこうと考えている。
(なかい隆晃)イカナゴの貧栄養に関しては、兵庫県は下水処理施設からの窒素供給の拡大に積極的に取り組んでいるということである。令和4年度の漁獲量実績を見ると、兵庫県が1位で2位が北海道、3位香川県、4位岡山県、5位が宮城県となっており、瀬戸内海が兵庫県、香川県、岡山県と、瀬戸内海の広域的な問題でもあるという認識が非常にうかがえる。下水処理施設からの窒素供給の拡大という取組はどのようになっているのか。
(水産漁港課長)令和4年に兵庫県が全国に先駆けて栄養塩類管理計画を策定した。これはいわゆる瀬戸法に基づいた計画だが、兵庫県に続いて香川県、山口県という形で瀬戸内海全体の課題としていくつかの府県が栄養塩類管理計画を定め、栄養塩を増やしていこうという取組を行っている。特に大阪湾に関しては、一昨年に流域下水道整備計画改定の関係でいろいろと協議させていただき、栄養塩類管理計画に位置付けられている下水処理場に関しては一定量栄養塩供給を増やすことができるので、兵庫県としても、全体の計画に基づいて、大阪湾側の栄養塩供給を増やしていこうと取り組んでいる。
また、明石市に関しては、今まで季節別運転という形で、冬場だけ栄養を出すという取組をしていたが、現在は通年運転という形で取り組んでいる。ノリに関しては冬に栄養を出すことで十分プラスになるが、夏も出していただくことにより、生物へのプラスの影響があるのではないかと期待をしているところである。
(なかい隆晃)先ほどの鹿ノ瀬の産卵数を増やす件に加えて、栄養塩類の下水処理施設の件も確認できた。ただ、大阪湾は大阪府も絡んでいるので、そのあたりの大阪府との連携について伺う。
(水産漁港課長)大阪湾の湾奥部に関しては栄養が滞留しているところがあり、スポット的に貧酸素水塊も発生しているという中で、大阪府としては栄養を増やすことに対して慎重になっているところがある。ただ、同じ大阪湾の中なので、大阪府ともいろいろと相談をしながら、どのように豊かな海にしていくのかという観点で協議を行っていきたい。来年、豊かな海づくり大会が大阪府で開催されるので、そのあたりも含めて相談しながら進めていきたいと思っている。
(なかい隆晃)引き続き注視していくので、よろしくお願いする。
以上