なかい隆晃の記事

私立高校の魅力向上について【12/16文教常任委員会】議事録より

議会活動
議会活動

○(なかい隆晃委員)
 13ページの私立高校の魅力向上にかかる検討会についてお尋ねする。令和8年度高等学校進学希望調査によると、令和7年9月1日時点では県内公立全日制希望者数は3万3,807人、全体の78.4%であったのに対し、11月10日時点では県内公立全日制希望者数は3万1,840人、全体の73.8%であった。約2ヵ月で4.6%、約2,000人の減少となっており、来年度からスタートする私立高校授業料等無償化の影響が出てきたと言えるのではないか。来年度の私立高校入試における受験生の動向をどのように推測しているのか。
○教育課長
 今年の私学フェスタへの参加者は8,500人と去年を大幅に上回っている。また、教育委員会が実施している進学希望調査でも、県内外の私学希望者が若干増えているので、私学への関心が高まっているのは間違いない。ただ、私学へ進学する場合、入学金、施設整備費、教育充実費等々の出費がある。また、行きたい学校を選ぶという視点もある。加えて、人気のある私学は従前より定員を充足しているため、これらの学校が定員を増やさない限りは、急速に在籍者数が増えることはないと考えている。もう一つの大きな要因として、私学在籍者の約4割はいわゆる自校進学、附属中学校からの進学者である。
 よって、そういった中学校での動きも考えながら、今後の影響については総合的に判断する必要があるので、今後の動向を注視して対応を判断していきたい。
○(なかい隆晃委員)
 11月17日の委員会において、来年度の全日制公立高校生徒募集計画への私立高校授業料等無償化の影響は少ないものと考えているという答弁があった。改めて、来年度の公立高校入試における受験生の動向について、当局の見解をお尋ねする。
○学事課長
 義務教育課が11月に実施した令和8年度高等学校進学希望者数等動向調査では、ご指摘のとおり、県内公立高校全日制の進学希望者が9月から4.6%、1,967人減少している。ただ、毎年9月の進学希望調査時は公立志望の割合が最も高く、その後の進路指導等で11月の希望調査、2月、3月の試験を経た合格者というふうに減少していく傾向にある。昨年の数字の推移を例に挙げると、9月に79.9%が公立志望であったが、11月は75.9%、試験の結果、65.9%が公立入学しており、15%弱が進路指導や入学者選抜試験の結果、私立や他の進路に進んでいる状況である。昨年度の9月から11月の減少幅は4%、人数では1,696人の減少であった。今年度と比較すると0.6%、271人、減少幅が増えているので、昨年度より私学希望者が0.6%増えている状況である。0.6%が大きいかどうかは評価が分かれるところかと思うが、いずれにせよ、私立高校への進学希望は高まっていると認識している。しかし、現時点で今後どれだけの生徒が進路変更を希望するか、予測するのは難しい
 よって、前回の答弁と同じ曖昧な表現になるが、現時点で直ちに大幅に公立離れが進んでいる状況ではないと考えている。
○(なかい隆晃委員)
 大阪府の高校無償化の影響についてお尋ねする。データによれば、兵庫県から大阪府への高校生の流出は減少傾向で、平成27年の5,901人に対し、令和7年度は4,523人という数値を確認した。10年間で約1,400人の減少である。また、県内市町に対して行われたアンケートでは、41市町中34市町からの回答においても、大阪での高校無償化の影響はなかったと回答したのは7市町で約21%。分からないと回答したのは27市町で約79%。そして、影響があったと回答したのはゼロ市町であった。そこで、大阪の私立高校授業料等無償化に対する兵庫県の影響について、当局の見解をお尋ねする。
○教育課長
 大阪府をはじめ、近隣府県との私学間の生徒の流出入については従前から調査している。兵庫県から大阪府への流出は、生徒数の減少に伴って従前から減少している。一方、大阪府からの流入は減少しておらず、横ばいの状況である。結果として流出超過ではあるが、流出入の差は縮まっている状況である。
 ご指摘の市町へのアンケートのほか、県内の私立高校に対してもアンケートを行ったが、影響がない、または分からないと回答する学校が多くを占めた。一方、大阪府や近隣府県に隣接しているような学校からは影響があるという回答があった。特に、大阪府民で高校から私学を受験する志願者数が顕著に減っているという報告もあったので、引き続き今後の動向をもう少し長いスパンで確認したい。
○(なかい隆晃委員)
 大阪府では上限63万円のキャップ制を導入しているが、来年度からの全国私立高校の授業料等無償化は一律45.7万円となる。この格差によって、兵庫県から大阪府に流出する可能性や動向についてどのように推測しているか、当局の見解をお尋ねする。
○教育課長
 大阪府への流出について、大阪府の授業料等無償化制度は大阪府民に対する制度である。我々が懸念していたのは、大阪府から兵庫県に来ていた生徒が大阪府内の学校にとどまってしまう流入の減少を懸念していた。兵庫県の高校生が大阪府に行っても大阪府の無償化制度の対象とはならないので、大阪府への流出と大阪府からの流入の減少を懸念していた。
 実際は先ほどの答弁と同様に、流入は横ばいであるので、そういう意味では影響はなかった。ただ、今後、全国的に45万7,000円の無償化となれば、兵庫県の生徒が近隣府県の人気がある私学に魅力を感じて、流出する場合もある。同様に他府県から兵庫県へ流入する場合もその恩恵を受けられるため、そういう意味では、公立も含めて学校間の競争が激しくなっていくと推察している。県内の私学には各学校の特色を磨いてもらい、選ばれる人気がある学校になってもらいたいと考えている。
○(なかい隆晃委員)
 昨日の兵庫県・神戸市調整会議でも神戸市の久元市長が大阪府の無償化制度による影響を非常に懸念していると言っていた。ただ確証がないという状況で、今後どうなるかということである。私立高校の魅力向上検討会が立ち上がり、県内の私立高校で多様な学びと質を担保していくという流れが、一定の方向性として打ち出されたことは大変評価している。
 昨年の兵庫県私立高校入試では、県内51校中外部募集は44校、そのうち32校が定員割れであった。公立高校一般入試における複数志願制度や、公立高校推薦入試の日程などの影響もあるのか、本県の私立高校全体の総生徒数の減少傾向が憂慮される。来年度からスタートする私立高校授業料等無償化事業がV字回復の起爆剤となりうるのか、当局の見解を伺う。
○教育課長
 ご指摘のとおり、本県の私立高校の生徒数は、令和7年度は3万1,068名で、ピーク時の平成元年6万4,124名と比べると51.4%、約半数である。ただ、これは私立学校のみである。県内の高校生全体数を見ると、平成元年度比で令和7年度は49.6%となっており、半数を割っている。少子化がどんどん進んでおり、今後この数字がますます悪化するのは確実だと考えている。授業料のみの無償化では、なかなか私学を志望しないということもあり、この制度だけをもってV字回復というのは難しいと思っている。一方、これまで保護者が負担していた45万7,000円の負担がなくなる点は私学にとって大きなアドバンテージになることは間違いない
 よって、これを機会に私学の魅力を高めてもらい、選ばれる私学になるべく努めていただき、我々も支援していきたい。
○(なかい隆晃委員)
 教育の質が低下して若者や子育て世帯が兵庫県から流出するという悪循環を懸念しているという、神戸市長の答弁が印象的であった。最後に教育の質について質問する。
 私立高校授業料等無償化事業が果たして学校現場の教育の質を高めることにつながるのか、そこには必ず評価と検証が必要になる。国の3党合意に基づく令和8年度以降の高校教育の振興方策が10月29日に公表され、新たな制度の検証の方向性が提示された。その中で、3年以内の期間に十分な検証を行った上で、必要な制度の見直しを行うとある。例えば、各生徒が卒業後の進路などを見据えて、在学中にどの程度の力を身に付けることができたのか。あるいは、その定着度合いや学びの成果などを公開していく必要があると考える。もちろんKPIなどの統一した評価基準も明確にしていかなければならない。また、今回の検討会、私立高校全校アンケートの結果より、強みや魅力とはという問いかけに対しては、特色あるカリキュラムが最多をマークしている。このカリキュラムによって生徒がどのように変化したのか、客観的に評価、検証していかなければならない
 そこで、今後の情報公開の体制整備に向けて、当局の見解をお尋ねする。
○教育課長
 私立高校の授業料等無償化にはかなりの予算を投入することになるので、今後十分な検証が必然だと考えている。そのあたりはいずれ国から方向性が示されると思うので、県としてもしっかり対応していきたい。
 もう1点、各私立高校のカリキュラムによる生徒の変化について、客観的に評価、検証していくことは非常に重要なことだと考えている。検討会でも各学校の多種多様な魅力ある教育特色が明確になった。生徒にとっても魅力ある多様な選択肢が用意されているので、是非ともやっていかなければいけない。現時点では各学校から生徒や保護者に魅力をしっかりと伝えられているか、進路選択に影響を与えられているかといったら、必ずしもそうではないと思う。そういった意味でも、各学校で客観的に教育の効果を検証し、そのエビデンスをもって積極的にPRや情報公開をしていかなければいけないと思っている。情報公開というのは、むしろ各学校の広報戦略の一環であり、生徒確保のために積極的にしていくことが今後必要だと思う。我々も学校や私学団体に働きかけをしていくとともに、側面的な支援を積極的に行っていきたい。
○(なかい隆晃委員)
 私立高校授業料等無償化に関する国の動向についてである。次の高校教育改革グランドデザイン、素案が待たれるところである。その後の有識者会議を経て、来年度から各都道府県の高校教育改革実行計画、これは仮称であるが、こういった一連の流れをイメージしている。日本私立中学高等学校連合会長の言葉を振り返ると、「令和7年6月11日、3党合意に基づく、いわゆる高校無償化に関する論点の大枠整理の中で、現在の物価や人件費の上昇など、合理的な理由によって授業料を値上げせざるを得ない状況の中で、私立高校の授業料を一律に規制することは、私立学校の独自性と教育環境を悪化させることになり、多様で質の高い教育を求めて入学するこどもたちへのよりよい教育の実現は困難となる。東京都は、届け出制で適切に管理していると考えている。」と発言されている。
 当局においては、東京都や大阪府の先進事例などを研究するとともに、引き続き兵庫県の私学教育、特に私立高校の魅力向上に対して、より一層の意見集約を求める。
<以上>

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