令和7年11月12日(水)~13日(木)の2日間、兵庫県議会文教常任委員会では管内調査が行われました。特定テーマ「中学校部活動の地域展開」をメインに阪神地区を調査しました。以下、概要を報告致します!
〈第1日目〉
①県立川西カリヨンの丘特別支援学校(川西市丸山台)令和6年度の新設校。県立高校(猪名川高校)との積極的な交流及び共同学習を実施。児童生徒数162名(小学部61・中学部34・高校部41・分教室26)*分教室(猪名川高校)。障害種別(知的障害)、通学圏域(川西市・猪名川町)。「カリヨン」は幸せを呼ぶ平和の鐘とされ、平和の象徴とされています。地域の土地開発時、地域の平和を祈り、この付近を「カリヨン通り」と名付けられているとのこと。4つの鐘に願いを込めて、①「こどもの笑顔があふれる学校」②「保護者が毎朝、安心して送り出せる学校」③「教職員が自己成長を実感できる学校」④「地域の人の鐘が広がる学校」を目指しているとのこと。1F入口付近「カフェ」(通称:カフェヨン)を併設。地域に根差した、あたたかい学校づくりが印象的でした。
②兵庫県立大学 新長田ブランチ(神戸市長田区)令和7年4月に開設。地元企業の技術者や従業員のスキルアップ等を目的とした人材育成のリカレント・リスキリング教育や若手起業家の育成・支援等に取り組む。3つのミッション(①スタートアップ起業支援、②リスキリング・リカレント教育、③地域連携)。オープニングセミナーの開催、神戸県民センター・長田区役所・新長田まちづくり㈱とのコラボ企画等も実施。はりま新産業創出エコシステム(内閣府の地域中核大学イノベーション創出環境強化事業)の神戸拠点として、新長田ブランチを整備。新長田キャンパスプラザ5F(セミナー室×4、研究室×9、スモールオフィス×5、他)。セミナー室を活用し36~180人の講義や講座が可能。神戸地域の産学連携の窓口として、大学と共同研究を行う企業、新ビジネス支援センターの支援、企業データを活用した経営支援を目指しています。大学研究機関、大学発ベンチャー企業等の関係者が地域課題の解決に向け連携を進めていくとのことでした。
③県立芦屋高等学校(芦屋市宮川町)地域の県立体育施設を部活動で活用。県内公立高校で唯一のヨット部がある。創立85年、「自治・自由・創造」の教育理念。生徒数831人(21学級:R7年5月1日)、大規模の県立高校。芦屋市内からの入学生(約17%)。芦屋市を通じた学びを重視。探求活動として、高島芦屋市長が講演(毎年)。平成7年1月17日(阪神淡路大震災)、体育館や格技場に約1500人の住民が避難。防災教育を重視。平成16年の県立高校教育改革に伴い、「普通科単位制」に改編。(100種類にも及ぶ授業)。国際交流、語学研修にも力を入れています。注目したのは、「県立高校生ふるさと共創プロジェクト」事業における「防災・減災」活動です。地域の地元自治会や芦屋市防災安全課等と協力し、地域防災研究会・避難訓練・夜間防災訓練を実施とのこと。また、ボランティア部による宮川町プロジェクト(地域の独居高齢者との交流)。書道部による書道パフォーマンス等もあるとのことでした。
〈第2日目〉
④阪神教育事務所(西宮市六湛寺町)所管区域(7市1町)、計255校を管理(尼崎60、西宮61、芦屋11、伊丹26、宝塚36、川西24、三田29、猪名川町8)。児童生徒数124,077人(全県の約43%)*県内最大の教育事務所とのこと。教職員数8,356人(全県の34%)、平均年齢39.4歳(全県40.2歳)。女性管理職の登用26.4%(全県23.7%)ということでした。
【部活動改革について】
(1)中学校部活動地域展開地区協議会→阪神地区における部活動の地域移行の取組に関する実証状況や情報交換等。
(2)中学校部活動地域展開推進実証事業→休日の部活動の段階的な地域移行を円滑に行うため、地域人材等の協力を得ながら、地域ごとのさまざまな成果や課題を検証。*ほんとんどの市町(R8年度の夏大会や文化的行事終了後)平日・休日ともに全ての部活動が完全移行へ。
(3)部活動指導員配置事業→部活動指導員の配置に係る経費の一部を補助することで、中学校における部活動指導員体制の充実と部活動を担当する教員の負担軽減を図る。*R6年度実績(44校、60名の配置)*主な部活動(陸上、剣道、バスケット、ソフトテニス、野球、吹奏楽、サッカー、バトン、卓球、柔道等
⑤西宮市立学文中学校(西宮市学文殿町)部活動の地域展開を西宮市独自の取組「プレみや」の下で先行実施。生徒数623人(21学級)、西宮市内20校のうち、中規模校にあたります。今年度は創立70周年、地域から「文中」の愛称で親しまれているとのこと。学校教育目標は「心豊かで、心身ともにたくましい生徒の育成」(人間尊重の精神を基調に捉えて)、校訓は「自立・剛健・求道・勤勉・友愛・清純」。学校運営協議会、地域見守り活動や県民緑税を活用した花壇が充実しているとのこと。部活動について、76%の入部率(中1は64%)。4団体が先行実施(バスケットボール男子、バスケットボール女子、ダブルタッチ、空手)とのことでした。
⑥兵庫県立海洋体育館(芦屋市浜風町)~芦屋マリンセンター~カヌーやヨット等の総合マリンスポーツ基地。海洋スポーツの振興を通じ、青少年の健全育成並びに県民の健康づくりに寄与しています。開館42年目(昭和59年設立)、設置の目的は、海に恵まれた本県の特性を生かし、海洋スポーツの振興を通じ青少年の育成ならびに県民の健康づくりに寄与するとのこと。所有艇(カヌー120、ヨット45、救助艇4)、年間利用者 44,419人(R6) *過去最高 74,707人(H27)。なんと、オリンピック選手が集うレガシーな施設(県立芦屋高校出身、B&G兵庫ジュニア海洋クラブ出身)であります。事業概要は、レンタル、自然学校、海洋スクール、レスキュー講習会、トップアスリート強化など。漁業体験、芦屋クルーズ、SUP(サップ)は人気とのこと。はじめてシリーズが好評(はじめてヨット、はじめてカヌー、はじめてSUP等ということでした。
⑦尼崎市立中央中学校(尼崎市東七松町)今年度から先行的に部活動を地域移行。尼崎市直営地域クラブの拠点校として、低額な会費で部活動を実施。校訓は「自律・調和・向上」、学校教育目標は、「自らを律し、自他ともに大切にする中でお互いを高め合い、失敗は次につながる大きな学びと考えて何事においてもチャレンジできる生徒の育成」。知「学力の形成」、徳「社会性の育成」、体「健やかな体の育成」。生徒数625人(21学級)、教職員数45人、部活動(運動部9、文化部3)。部活動地域展開の先行モデルあ、男女バレーボール。男女バレーボール部は、顧問に競技経験がなく円滑な運営が困難な状況にあった移行イメージは、ソフトランディング、部活動とのハイブリッド型で実施。生徒の様子や参加大会の確保状況等を踏まえて、円滑な移行を図るとのことでした。他校生の受入れについて。自校にバレー部のない生徒に限る、R7年度総体まで。それ以降は、他校生を全面的に受け入れるとのことでした。
以上、活動報告でした!
